Son et Parfum〜音と香り〜
“Les sons et les parfums tournent dans l’air du soir”
ドビュッシー:プレリュード第1集より 音と香りは夕暮れの大気に漂う
この曲はシャルル・ボードレール(1821-1867)の詩「夕べの諧調(ハーモニー)」から連想を得て作曲されたと言われています.
柔らかな音,よどみなく流れる旋律,たっぷりと響くハーモニー,強弱のニュアンス,変化する拍子,気だるい雰囲気.
ドビュッシーの生きたパリはどんな香りだったのでしょう.
音と香りの関連性
「ノート」「アコード」「オルガン」とは香りに用いる言葉ですが,もとは音楽用語からきています.
「ノート」とは,19世紀の調香師セプティマス・ピエスが考案した香りの揮発速度を表す用語.
揮発速度が 速いものをトップノート/中くらいのものをミドルノート/揮発速度が遅いものをベースノートといいます(The Art of Perfumery,1857).音楽では,音,楽音,音調のことを指します.
「アコード」とは,香りの調和,複数の香料のバランス具合をいい,香りの調和をとることを「アコードをとる」といいます.音楽では和音,調和の意味となります.
「オルガン」とは,香りを創る調香台のこと.
棚にたくさんの香料を鍵盤のように並べ,そこで調香師が調香します. 見た目がパイプオルガンに似ていることからオルガン (台)と呼ばれます.音楽では主に鍵盤楽器のパイプオル ガンのことを指しています.
このような音と香りの関連性に焦点をあてたリサーチと香りのデザインをライフワークとして活動しています.