19世紀イギリスの化学者で調香師のG・W・セプティマス・ピエスが考案した香階.
(©️香料,268,日本香料協会)
1855年に著書『The Art of Perfumery』の中で発表された“香階(こうかい)”.
46種類の香料を音階にならって並べ香調と音階を結びつけました.
ピエスの香階に割り当てられた香りは次の通り.
同じド(C)でも低い音域はパチュリやサンダルウッド,中央のドはローズ,高い音域はカンファーやジャスミンとなっています.
協和音に当てはまる香りをブレンドすると,香りの調和ができるというものです.
さっそく調和をみていきましょう.
ド(C):
まずは1オクターブ違いのド
サンダルウッド
パチュリ
この2つの香りはどんな割合に混ぜてもよく調和します.
では2オクターブ違うド
ジャスミン
ローズ
こちらも同様によく調和します.
和音を例に見てみると
ドミソ:
ド カンファー
ソ ネロリ
ミ ミモザ
ド ゼラニウム
ド サンダルウッド
ドファラ:
ファ ナルシス
ド カンファー
ラ トンカビーンズ
ファ チュベローズ
ド ローズ
ファ ムスク
こちらも調和がよくとれています.
ピエスの香階には半音の設定がないので全ての和音を試すことができないのは残念ですがとてもおもしろい試みですね.
参考:
吉武利文(2015)ピエスの“香階“とPerfumery Organ(香調オ ルガン).香料,268,39-42,日本香料協会,東京.
中村祥ニ(2018)調香師の手帖 香りの世界をさぐる.朝日新聞出版,東京.